浅葉のブログ

役に立たないことを書きます

TGS2018をスマホ一台で回る

東京ゲームショウ2018の取材に行ってきました。ここ数年は、自分の好きなゲームやブースを中心に回って、記事を作成しています。今年は、ほとんどの取材をiPhoneやってみました。ちょうど、ゲームショウのビジネスデー2日目にiPhone XS Maxを手に入れたので、カメラもインタビューの録音もこれ一台でこなしてみたのです。一応、保険としてコンデジやら一眼を持っていったのですが、結局これらは初日しか使いませんでした。

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昔はインタビューでボイスレコーダーを取り出すことが多かったのですが、最近はスマホの録音機能を使うことが多いです。機密性の高いものはまだボイスレコーダーを使うこともありますが、僕のやっている仕事のほとんどはスマホで事足ります。
写真については、スマートフォンとレンズ着脱式のカメラを比較すると、当然カメラのほうがバリエーション豊かな写真を撮影することができます。ただ、僕の場合は、ライターがカメラを兼任するゲーム系メディアの仕事に関しては、フットワークの関係上スマホで撮ってしまうことが多いです。昔はもうちょっと、カメラマンがつく仕事が多かったように感じるのですが、経費削減の波でしょうか。最近は、ちょっとしたインタビューの写真なんかもライターに任せる記事が増えています。僕もお願いしますと言われて引き受けることがたまにあるのですが、だいたいはスナップシューター的なコンデジで撮っています。でも、これももうスマホに変えても問題なさそうだなあと思いはじめました。
撮られる側の心境としては、カメラで撮った方がもちろん気分がいいのでしょうが、僕のようにカメラの腕前がさっぱりな人間がとる場合、スマホの方が綺麗な写真が撮れたりします。最近は、カメラで撮影した後に、「スマホでも念のため」といって撮らせてもらいつつ、実際はスマホの写真を使ったりすることがあります。そのほうが綺麗なことも多いので。iPhoneポートレート機能で簡単に取れる写真を、一眼レフやミラーレスで頑張ろうとすると、なかなか腕前がいるのではないでしょうか。メディア的な見栄の問題で、カメラに不慣れなライターにも、一眼をもたせて取材させるという話もよく聞きますが、無駄なのでやめたほうがいいと思います。
実は、簡単な原稿もスマホで書いています。移動中や空き時間に書いてしまえるのはとても便利。昔、ガラケーの時代、ブログを365日更新してた時は、ほとんどの記事をガラケーから打ち込んでいました。長い原稿についてはさすがにパソコンを使いますが、速報性のある記事などは、スマホのスピード感が役立ちます。人がたくさん来るイベントの記事などは、パソコンを開いて書くよりも、圧倒的にスマホが楽です。
そんなわけで、ゲームライターの大抵の取材は、カメラ機能の良いスマホがあれば大抵の事ができてしまいます。芸能、建築、旅行雑誌などでは、カメラマンがいないと記事の見栄え的にお話になりませんが、ゲーム系の写真は割とゆるゆるだったりするのです。(もちろん、ちゃんとカメラマンを入れているメディアもあって、そういうメディアは記事のクオリティも高いことが多いです。)ただ、TGSに限って言えば、コンパニオンさんの写真を美しく撮ることだけは、カメラの領域です。暗い会場で撮ることになるので、今の所、スマホよりも、レンズ着脱式カメラのほうが適していて、さらに光を操る装備が必要になります。これも一回経験してみたいと思っているのですが、周りのカメラマンさんを見ていると、装備がとにかく大変そうで、重たそうだなあと躊躇してしまいます。

 

記事の宣伝です

ゲーム系のお仕事の宣伝です。

9月13日売りの週間ファミ通に掲載されている『シュタインズ・ゲート』特集の一部をお手伝いしています。科学アドベンチャーシリーズと呼ばれる一連の作品を追いかけ始めてから随分になるのですが、書いた記事やファンブックの方も随分な分量になりました。

週刊ファミ通 2018年9月27日号

週刊ファミ通 2018年9月27日号

 

 ホビージャパンさんで作ったファンブック『科学アドベンチャーシリーズ マニアックス』が未だに資料として役立っています。ファンブックをいろいろと作っていた時期は、自分が欲しくなるものを作りたいということで、とにかく情報をぎゅうぎゅうに詰め込んでいたのです。現場では、ゲーム内の素材や設定資料を貼りつけただけで、あとはスカスカという本は作りたくないという意識が強かったので、この本も、後に出したものも、ホビージャパンさんのものはかなりの文字量を詰め込んだものになっています。遠方に取材に行く際に、本の予算がないので、編集さんの実家に泊めてもらうということもありました。楽しい思い出のひとつです。
ちなみにファミ通の記事でも恒例の舞台探訪が掲載されています。友人と真昼間から秋葉原を闊歩していると、ひたすら秋葉原に通っていた学生時代を思い出しました。

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 Webメディアでも最近は色々書いています。ゲーム★マニアックスでは、好きなゲームをレビューするというコーナーが始まりました。本当に好きな作品でいいんですねと聞いたら、それでいいですと言われたので、最初は『夏色ハイスクル』のレビューから始めることにしました。毎回僕が書くというわけではありませんが、登板回数は多くなりそうです。

外のゲームメディアで仕事をするときはどれだけ見られているか、PVや売り上げがとても気になります。自分のところは、PR案件でもない限り、何も考えずゆるゆる歩いているだけなのですが、他のところは仕事を頼んでくれた方の情熱や、メーカーとの関係性もありますから。そんなわけで、興味のある方は、チラりと読んでくれると嬉しいです。

以下の記事は、知人のライターが実験的に始めた記事です。連載になるといいなーと眺めているので、こちらも見ていただけると嬉しいです。僕の方は、『シャドウバース』の第三弾くらいで一度離れてしまったのですが、この記事を参考にしつつ再開してみました。結構課金しないと追いつかないかなと思っていたのですが、元々のカード資産をやりくりしたら1万円で数クラス組むことができました。またしばらく、遊んでみるつもりです。

 

紫色のフィルム

ナチュラクラシカにLomo Chrome Purple XR100-400 35mmというフィルムを放り込んで兵庫県の淡路島に行ってきました。このフィルムは、その名の通り写真に紫色っぽいトーンを付与してくれるのです。画像編集ソフトはもちろん、スマートフォンやカメラの機能で似たようなことができる時代ではありますが、ちょっとレトロな質感と現像してみるまでどんな写真になっているかわからないという期待感は、フィルムならではのものではないでしょうか。

まずはイングランドの丘。ここはなんと、コアラがいる日本でも有数の施設なのだそうです。僕たちが行った時間はちょうどお昼寝の時間だったのか、コアラがこっちを向いてくれませんでした。そんなわけで、ここのもう一つの見所であるひまわりをこのフィルムで撮影してみました。

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例えば黄色のひまわりはこんな風に映ります。空の色は白っぽくなっていますね。

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園内にあるキャラクター風の植物。ハロウィン感が少し出ています。

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園内を日傘をさして歩いていく奥さん。ややホラーがかった雰囲気に。この日はとても暑かったのですが、このフィルムで撮った写真を見ると涼しそうに見えますね。
ナチュラクラシカのファインダーの劣化もあって、太陽が強くさしている場所では覗く気も起きない状態になっているので、かなり適当にバシャバシャ撮りました。

次は高速道路を走り、淡路サービスエリアへ。晴れの日はここから、明石大橋がくっきりと見えます。写真の方はぼんやりとしていますが、この日も迫力ある風景を見ることができました。

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このサービスエリアには、観覧車も設置されています。いつも見上げるだけなので、そろそろ乗ってみたいですね。やや日が落ちてきた時間帯にも関わらず、フィルムの効果でレトロな青色に映りました。

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続いて淡路の海釣り公園へ。ここは日没が美しいスポットです。公園からは、淡路島ウィンドファームの風車を見上げることができます。ここで撮影した写真は、空と海が緑っぽく写っていました。

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この公園からは、徒歩で弁天島という釣り場に行くことができます。島には程よく古びたアーチ状の橋を渡ることで到着します。見学料は大人一人400円。とてもリーズナブル。

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弁天島は、10分くらいで散策できてしまう小さな島です。島の周りをぐるりと囲むように配置された釣台から見る景色はとても美しいです。海側は釣りをしやすいようにか、小さな柵があるだけ。パノラマビューが広がります。僕らが訪れたのは日没前、釣りをしている方もいました。

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と、駆け足で色々撮影してみました。今回は近場の、カメラのキタムラさんにお願いしました。「特殊なフィルムなので、外注に出します」と教えてもらい、10日くらいで戻ってきました。楽しいフィルムですが、36枚撮りきることを考えると、一台これ専用のフィルムカメラが欲しくなってしまいますね。

電子書籍『VE』Vol.02、場末のバーで行われているゲーム談義をまとめたような一冊が出ました

ゲーメストの元編集長として知られる石井ぜんじさんが監修する電子書籍『VE』vol2にアドベンチャーゲーム関係の原稿を寄稿しました。電子書籍オンリーという変わった形態の本です。

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VE Vol.02(VIDEOGAME EXPLORER)

VE Vol.02(VIDEOGAME EXPLORER)

 

 vol2となる今回は、アドベンチャーゲーム特集がメインです。思い入れのあるアドベンチャーゲームの話ということで依頼を受けたので、そのタイミングで閃いた『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』と『俺達の世界わ終っている。』、この2つのタイトルについて書きました。どちらも、自分のやっているゲームサイトで紹介した作品ですが、読者層も異なるだろうと思い、こちらの書籍にも紹介を兼ねて書かせていただきました。

 

僕が書いている部分は全体のごく一部ですが、石井ぜんじさんが書いた部分はとてもボリューム感溢れるものになっています。石井ぜんじさんというと、ゲーメスト、つまりレトロなアーケードゲームに造詣の深い方というイメージがあるかもしれませんが、今でもバリバリに新作ゲームを遊んでいるのです。アーケードゲームでは『ボーダーブレイク』の現役プレイヤーですし、ファミ通Xbox360ではさまざまなジャンルのゲーム、シューティング、RPG、アドベンチャーなどに積極的に触れられていました。僕は隣の編集部の仕事を請け負うことが多かったのですが、石井さんがゲームレビューのために、いろいろなゲームを長く遊んでいる様子を見ていました。なんというか、とても真摯にゲームと向き合う方なのです。レビュー一つ書くにしても、しっかりとプレイしてから書く。そして、僕みたいな若造の話にも耳を傾けてくれる方です。そんな人が責任編集を務めたこの『VE』、とてもディープでマニアックな本になっています。

インタビューやコラムも豪華です。『レイジングループ』のシナリオライターであるamphibianさんの2万字インタビューは読み応え抜群です。密かに運営しているゲームサイトの方にも、インタビューを掲載させていただいたことがあるのですが、『VE』の方では、「アドベンチャーゲームとは」というテーマに話が及んでいて、とても楽しく読ませていただきました。

そして、『シュタインズ・ゲート』等、科学アドベンチャーシリーズの原作原案を務めるMAGES.会長の志倉千代丸さんによるコラムも載っています。志倉さんのフットワークの軽さと、オタクマインドが大好きで、憧れてやまない僕にはたまらない読み物でした。僕は過去に何度か、科学アドベンチャーシリーズの本や記事やらに関わったことがありますが、この本で初公開となるような話もポロポロ出ています。僕もこのインタビューにいきたかった!(過去にファミ通や、科学アドベンチャーシリーズマニアックスなどでインタビューさせてもらったことがありますが、いつだって記事映えする答えをくれるんです。)


この雑誌の企画の発端について、「小さくてもいいから自由に書ける本をやりたい」と石井さんがおっしゃっていたのですが、まさにその言葉通り、とても自由な本となっています。そこに、豪華なゲストのインタビューやコラムが加わって、どこかの町にある、場末のゲーム談義バーのようになっています。

自分が寄稿しているからとはいえ、本の全貌を見たのは今日が初めてです。
パラパラと読み進めてみたら、ゲーム好きたちが集う空気がふわりと漂ってきて、勢いのままブログを更新してみました。(石井さんには失礼かもしれませんが)気心の知れた仲間で作った同人誌のように感じます。

また、機会があれば、こういう本をやりたいですね。




古き良きものへの尊敬

徳島県もなかなかの猛暑で、夜ですら外出する気が起きません。

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車での移動が多いので、ほとんど外を歩くことがないのは、田舎ならではの良いところでしょうか。バスや鉄道は一時間に数本しかこないので、公共交通機関を移動手段にしている人はそれほど多くありません。ちなみに、徳島県には、電車が通っていないそうです。いわゆる汽車というやつが運行しており、一両、二両編成くらいのものがガタゴトと線路を走っています。車で移動していると、ところどころで見かけるのですが、東京の電車を見慣れていると、どことなくレトロで可愛らしいです。
暑さから逃げるように車に乗って、自宅と会社を行き来しています。
先日の京都旅行の暑さに懲りたので、しばらく外出せずに、いつにも増してゲームばかりしています。主に遊んでいるのは『オクトパス トラベラー』と、『神獄塔メアリスケルター2』です。どちらも古き良きRPGの趣を残しつつも、新しさを加えた作品となっています。

『オクトパス トラベラー』はとても素晴らしい作品です。あまり情報を仕入れないまま買ったので、遊ぶ前はただクラシックなコマンド選択式RPGかと思っていたのですが、このゲームをふわりと包むレトロな雰囲気は、現在のゲーム技術を凝らして作られたものでした。スーパーファミコン風のゲームかと思いきや、画面を見るとすぐにそれだけではないと気づかせてくれます。懐かしさと、世界の輝きを両立させるフィルターに包まれたゲーム画面は、本当に美しい。古き良きものを、今のプレイヤーに向けて作るために、ノスタルジーを煽るだけではなく、この作品ならではの驚きを用意してくれているのです。古き良きRPGへの尊敬とともに、オリジナリティを混ぜ込んだ作品と言って間違い無いでしょう。昔のゲームが好きな人には良いかもねという作品ではないので、新しいもの好きの方にも是非遊んでみて欲しいです。
ゲームに関しては最近、レトロ風のゲームというものが増えてきました。RPGなどではよく見かけます。しかしその中には、低コストで、昔の作品をただなぞるように作られたものも多く、これならロード時間の短いスーパーファミコンの方が良かったと思うようなものも多いです。古き良きものを、今の時代に刺さるように作るのは、そう簡単なことではありません。

 

京都旅行2018.7

久々に京都に行ってきました。徳島から京都までは車で3時間くらい、ちょっとした小旅行です。以前に京都を訪れたのは4年くらい前。古都らしい色々な建物、神社や寺などを観たのですが、今回はその時回りきれなかった場所や、雑誌やネットで見かけて気になっていた場所を散策してみました。

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国内旅行に行くのはいつも唐突です。晴れているから行こう、ということが多いです。そして、今回は、幸いにも京都の宿にいくつか空室があり、SAKURA TERRACEというところに宿泊することにしました。写真一枚だけで決めた宿だったのですが、驚くほど快適で、開放感のある場所でした。吹き抜けの中にあるバーカウンター、空が見える場所に置かれたソファ、清潔で程よい広さの大浴場。宿泊者だけが利用できるレストランは、驚くほどリーズナブル(一皿1000円しないものがほとんど)でした。

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京都はもともと海外からの観光客の方が多いのですが、このSAKURA TERRACEにも、いろいろな国の人が来ているようでした。僕たちがオープンなラウンジでひと休みしている時間帯は、周りが海外の方ばかりで、日本なのに異国に来ているような感覚。フリードリンクとして、コールドブリューグリーンティーが置いてありました。いわゆる水出し緑茶なのですが、なんだかこの空間で飲むと、とても清冽なものに感じます。

ホテルを出て猛暑の中まず向かったのは、「うさぎ」で有名な岡崎神社。京都の主要な観光地から少し離れているので、近くの駐車場に車を停めることができました。
ここでは「うさぎ」をモチーフにしたおみくじを販売しています。このおみくじは観光情報誌や、インスタ映えとして取り上げられることの多いのですが、実物もとても可愛らしいです。白と薄紅色、二種類のうさぎのおみくじがあって、色だけでなく、ちょっとした個体差もあるようでした。自分と奥さんの分、二つおみくじを買いました。

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岡崎神社を出た後は、南禅寺を少し散策。38度くらいある中を歩いてみたところ、10分くらいでへとへとになってしまいました。とてつもない気温に圧倒されて、逃げるように車に乗り、次の目的地である喫茶店ソワレの近くに向かいました。ここのゼリーポンチという食べ物が、なんとも可愛らしいのです。うさぎもそうですが、今回の旅は、インスタ映えを追いかけるような形になってしまいました。味は、想像していたものとは違って、懐かしく、ちょっとほろ苦いものでした。青い光に包まれた店内は、この日の熱さを少し忘れさせてくれました。

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夜は気温も少し下がったので、八坂の塔周辺を散歩してみました。このあたりは、昼間はとても賑わっているのですが、夜は多くのお店が閉まるからか、ずいぶん静かになっていました。前回来た時も、同じ場所を訪れたけれど、立ち止まって街並みや建物を観るということをしなかったことを思い出しました。一つでも多くの場所を訪れたいという気持ちでいっぱいで、今思えば、余裕のある観光ではなかったのかもしれません。

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ゆっくりゆっくり夜の道を歩いていると、京都という町の良さがじわりと染み込んでくるようでした。昼間の炎天下の中、散歩しているときは、夏の京都の気温にちょっとたじろいていましたが、ふと立ち止まる時間があると、ずいぶん考えも変わるものです。

まだまだ見てない場所もたくさんあるので、機会を作って再訪したいですね。

ナチュラクラシカ.01

ナチュラクラシカに入れていたフィルムがいっぱいになったので、現像してみました。この手のフィルムカメラは、写ルンですを使ったことぐらいしかないので、そこら中で適当にシャッターボタンを押しているだけなのですが、1本のフィルムに何枚か、残しておきたい写真が入っていてドキッとします。(もちろん、失敗のような写真もとても多いです。)

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それほどハイペースで撮影しているわけではないので、だいたい一本のフィルムを使い切るのに数週間か一か月くらいかかります。撮影から現像までこれだけ時間が空いてしまうと、どのように撮ったかという記憶もあいまいなので、こう撮ればこういう写真が撮るという経験値のようなものが蓄積されているような感覚がありません。でも、それがいいのかもしれません。

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現像の際に特にオーダーも出していないので、ただ撮っただけという写真ばかりですが、デジタルとはまた違った質感があって、ついつい鞄の中に放り込んでしまいます。
(基本的に奥さんを撮ることが多いので、それらの写真をお蔵入りさせると、こうしてブログ上に出せるのは微妙なものばかりなのですが。)

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今は、LOMO Chromo Purpleというフィルムをナチュラクラシカに入れています。このフィルムは、その名前のとおり、写真がPurple、紫っぽく仕上がるのです。
もちろん、今の時代では、Photoshopなどを使わなくても、カメラやスマートフォンでこうした加工ができるので、仕上がってきた写真に驚くということはありません。しかし、現像からあがってくるまでどんなものができているかわからないというのが、きっと楽しいはず。

ピアノの森

アニメ版『ピアノの森』を毎週楽しみに観ています。原作の漫画がとても好きだったので見始めたのですが、実際に音が入ってくるアニメ版も良いものですね。演奏シーンのCG、音は力が入っていてとても見ごたえがあります。漫画版では当然、音が流れませんから、主人公のカイたちのピアノはどんなだろうと想像しつつ漫画版を読んでいました。アニメ版でその答え合わせのような感覚を楽しんでいます。漫画で描かれる日常の細部も本作のとても良いところなので、気になる方は両方の媒体で楽しむことをオススメします。
アニメ版の秀でたところに触れると、改めて、音を鳴らせない漫画という媒体で、音楽というテーマを描くことに凄まじい表現力が注がれていたことがわかります。『ピアノの森』、『のだめカンタービレ』、『四月は君の嘘』などは、読んでいると頭に音が響いてくるようです。  

ピアノソロ TVアニメ ピアノの森

ピアノソロ TVアニメ ピアノの森

 

音を漫画で、味を文章で、といった風に、何かの事象を属性の異なる表現で伝わるように描くのはとても難しいです。これは芸術やエンターテインメントの世界だけではなく、多くの仕事に存在する資料作り、プレゼンテーションなどもそうでしょう。僕の身近なところでいくと、建物やインテリアを表現するのに、図面や文字だけでは足りなくて、最近ではパースを用意したり、素材を貼り付けたボードなども用意しますが、やはりそれでは魅力が伝わらないのではとどこかで考えてしまうこともあります。

そこで、これは無理だろう、難しいと中途半端な表現で止めてしまうのではなく、なんとかしてやってやろう、表現してやろう、伝えてやろうというものだけが、受け取る人の心に響いたりするのかもしれません。