浅葉のブログ

役に立たないことを書きます

紫色のフィルム

ナチュラクラシカにLomo Chrome Purple XR100-400 35mmというフィルムを放り込んで兵庫県の淡路島に行ってきました。このフィルムは、その名の通り写真に紫色っぽいトーンを付与してくれるのです。画像編集ソフトはもちろん、スマートフォンやカメラの機能で似たようなことができる時代ではありますが、ちょっとレトロな質感と現像してみるまでどんな写真になっているかわからないという期待感は、フィルムならではのものではないでしょうか。

まずはイングランドの丘。ここはなんと、コアラがいる日本でも有数の施設なのだそうです。僕たちが行った時間はちょうどお昼寝の時間だったのか、コアラがこっちを向いてくれませんでした。そんなわけで、ここのもう一つの見所であるひまわりをこのフィルムで撮影してみました。

f:id:asabataiga:20180727184832j:plain

f:id:asabataiga:20180727184837j:plain

例えば黄色のひまわりはこんな風に映ります。空の色は白っぽくなっていますね。

f:id:asabataiga:20180727185001j:plain

園内にあるキャラクター風の植物。ハロウィン感が少し出ています。

f:id:asabataiga:20180727184951j:plain

園内を日傘をさして歩いていく奥さん。ややホラーがかった雰囲気に。この日はとても暑かったのですが、このフィルムで撮った写真を見ると涼しそうに見えますね。
ナチュラクラシカのファインダーの劣化もあって、太陽が強くさしている場所では覗く気も起きない状態になっているので、かなり適当にバシャバシャ撮りました。

次は高速道路を走り、淡路サービスエリアへ。晴れの日はここから、明石大橋がくっきりと見えます。写真の方はぼんやりとしていますが、この日も迫力ある風景を見ることができました。

f:id:asabataiga:20180727192051j:plain

このサービスエリアには、観覧車も設置されています。いつも見上げるだけなので、そろそろ乗ってみたいですね。やや日が落ちてきた時間帯にも関わらず、フィルムの効果でレトロな青色に映りました。

f:id:asabataiga:20180727185021j:plain

続いて淡路の海釣り公園へ。ここは日没が美しいスポットです。公園からは、淡路島ウィンドファームの風車を見上げることができます。ここで撮影した写真は、空と海が緑っぽく写っていました。

f:id:asabataiga:20180727184844j:plain

この公園からは、徒歩で弁天島という釣り場に行くことができます。島には程よく古びたアーチ状の橋を渡ることで到着します。見学料は大人一人400円。とてもリーズナブル。

f:id:asabataiga:20180727190930j:plain

f:id:asabataiga:20180727190924j:plain

弁天島は、10分くらいで散策できてしまう小さな島です。島の周りをぐるりと囲むように配置された釣台から見る景色はとても美しいです。海側は釣りをしやすいようにか、小さな柵があるだけ。パノラマビューが広がります。僕らが訪れたのは日没前、釣りをしている方もいました。

f:id:asabataiga:20180727184910j:plain

と、駆け足で色々撮影してみました。今回は近場の、カメラのキタムラさんにお願いしました。「特殊なフィルムなので、外注に出します」と教えてもらい、10日くらいで戻ってきました。楽しいフィルムですが、36枚撮りきることを考えると、一台これ専用のフィルムカメラが欲しくなってしまいますね。

電子書籍『VE』Vol.02、場末のバーで行われているゲーム談義をまとめたような一冊が出ました

ゲーメストの元編集長として知られる石井ぜんじさんが監修する電子書籍『VE』vol2にアドベンチャーゲーム関係の原稿を寄稿しました。電子書籍オンリーという変わった形態の本です。

f:id:asabataiga:20180720170842j:plain 

VE Vol.02(VIDEOGAME EXPLORER)

VE Vol.02(VIDEOGAME EXPLORER)

 

 vol2となる今回は、アドベンチャーゲーム特集がメインです。思い入れのあるアドベンチャーゲームの話ということで依頼を受けたので、そのタイミングで閃いた『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』と『俺達の世界わ終っている。』、この2つのタイトルについて書きました。どちらも、自分のやっているゲームサイトで紹介した作品ですが、読者層も異なるだろうと思い、こちらの書籍にも紹介を兼ねて書かせていただきました。

 

僕が書いている部分は全体のごく一部ですが、石井ぜんじさんが書いた部分はとてもボリューム感溢れるものになっています。石井ぜんじさんというと、ゲーメスト、つまりレトロなアーケードゲームに造詣の深い方というイメージがあるかもしれませんが、今でもバリバリに新作ゲームを遊んでいるのです。アーケードゲームでは『ボーダーブレイク』の現役プレイヤーですし、ファミ通Xbox360ではさまざまなジャンルのゲーム、シューティング、RPG、アドベンチャーなどに積極的に触れられていました。僕は隣の編集部の仕事を請け負うことが多かったのですが、石井さんがゲームレビューのために、いろいろなゲームを長く遊んでいる様子を見ていました。なんというか、とても真摯にゲームと向き合う方なのです。レビュー一つ書くにしても、しっかりとプレイしてから書く。そして、僕みたいな若造の話にも耳を傾けてくれる方です。そんな人が責任編集を務めたこの『VE』、とてもディープでマニアックな本になっています。

インタビューやコラムも豪華です。『レイジングループ』のシナリオライターであるamphibianさんの2万字インタビューは読み応え抜群です。密かに運営しているゲームサイトの方にも、インタビューを掲載させていただいたことがあるのですが、『VE』の方では、「アドベンチャーゲームとは」というテーマに話が及んでいて、とても楽しく読ませていただきました。

そして、『シュタインズ・ゲート』等、科学アドベンチャーシリーズの原作原案を務めるMAGES.会長の志倉千代丸さんによるコラムも載っています。志倉さんのフットワークの軽さと、オタクマインドが大好きで、憧れてやまない僕にはたまらない読み物でした。僕は過去に何度か、科学アドベンチャーシリーズの本や記事やらに関わったことがありますが、この本で初公開となるような話もポロポロ出ています。僕もこのインタビューにいきたかった!(過去にファミ通や、科学アドベンチャーシリーズマニアックスなどでインタビューさせてもらったことがありますが、いつだって記事映えする答えをくれるんです。)


この雑誌の企画の発端について、「小さくてもいいから自由に書ける本をやりたい」と石井さんがおっしゃっていたのですが、まさにその言葉通り、とても自由な本となっています。そこに、豪華なゲストのインタビューやコラムが加わって、どこかの町にある、場末のゲーム談義バーのようになっています。

自分が寄稿しているからとはいえ、本の全貌を見たのは今日が初めてです。
パラパラと読み進めてみたら、ゲーム好きたちが集う空気がふわりと漂ってきて、勢いのままブログを更新してみました。(石井さんには失礼かもしれませんが)気心の知れた仲間で作った同人誌のように感じます。

また、機会があれば、こういう本をやりたいですね。




古き良きものへの尊敬

徳島県もなかなかの猛暑で、夜ですら外出する気が起きません。

f:id:asabataiga:20180718015051j:plain

車での移動が多いので、ほとんど外を歩くことがないのは、田舎ならではの良いところでしょうか。バスや鉄道は一時間に数本しかこないので、公共交通機関を移動手段にしている人はそれほど多くありません。ちなみに、徳島県には、電車が通っていないそうです。いわゆる汽車というやつが運行しており、一両、二両編成くらいのものがガタゴトと線路を走っています。車で移動していると、ところどころで見かけるのですが、東京の電車を見慣れていると、どことなくレトロで可愛らしいです。
暑さから逃げるように車に乗って、自宅と会社を行き来しています。
先日の京都旅行の暑さに懲りたので、しばらく外出せずに、いつにも増してゲームばかりしています。主に遊んでいるのは『オクトパス トラベラー』と、『神獄塔メアリスケルター2』です。どちらも古き良きRPGの趣を残しつつも、新しさを加えた作品となっています。

『オクトパス トラベラー』はとても素晴らしい作品です。あまり情報を仕入れないまま買ったので、遊ぶ前はただクラシックなコマンド選択式RPGかと思っていたのですが、このゲームをふわりと包むレトロな雰囲気は、現在のゲーム技術を凝らして作られたものでした。スーパーファミコン風のゲームかと思いきや、画面を見るとすぐにそれだけではないと気づかせてくれます。懐かしさと、世界の輝きを両立させるフィルターに包まれたゲーム画面は、本当に美しい。古き良きものを、今のプレイヤーに向けて作るために、ノスタルジーを煽るだけではなく、この作品ならではの驚きを用意してくれているのです。古き良きRPGへの尊敬とともに、オリジナリティを混ぜ込んだ作品と言って間違い無いでしょう。昔のゲームが好きな人には良いかもねという作品ではないので、新しいもの好きの方にも是非遊んでみて欲しいです。
ゲームに関しては最近、レトロ風のゲームというものが増えてきました。RPGなどではよく見かけます。しかしその中には、低コストで、昔の作品をただなぞるように作られたものも多く、これならロード時間の短いスーパーファミコンの方が良かったと思うようなものも多いです。古き良きものを、今の時代に刺さるように作るのは、そう簡単なことではありません。

 

京都旅行2018.7

久々に京都に行ってきました。徳島から京都までは車で3時間くらい、ちょっとした小旅行です。以前に京都を訪れたのは4年くらい前。古都らしい色々な建物、神社や寺などを観たのですが、今回はその時回りきれなかった場所や、雑誌やネットで見かけて気になっていた場所を散策してみました。

f:id:asabataiga:20180718004046j:plain

国内旅行に行くのはいつも唐突です。晴れているから行こう、ということが多いです。そして、今回は、幸いにも京都の宿にいくつか空室があり、SAKURA TERRACEというところに宿泊することにしました。写真一枚だけで決めた宿だったのですが、驚くほど快適で、開放感のある場所でした。吹き抜けの中にあるバーカウンター、空が見える場所に置かれたソファ、清潔で程よい広さの大浴場。宿泊者だけが利用できるレストランは、驚くほどリーズナブル(一皿1000円しないものがほとんど)でした。

f:id:asabataiga:20180718155307j:plain

京都はもともと海外からの観光客の方が多いのですが、このSAKURA TERRACEにも、いろいろな国の人が来ているようでした。僕たちがオープンなラウンジでひと休みしている時間帯は、周りが海外の方ばかりで、日本なのに異国に来ているような感覚。フリードリンクとして、コールドブリューグリーンティーが置いてありました。いわゆる水出し緑茶なのですが、なんだかこの空間で飲むと、とても清冽なものに感じます。

ホテルを出て猛暑の中まず向かったのは、「うさぎ」で有名な岡崎神社。京都の主要な観光地から少し離れているので、近くの駐車場に車を停めることができました。
ここでは「うさぎ」をモチーフにしたおみくじを販売しています。このおみくじは観光情報誌や、インスタ映えとして取り上げられることの多いのですが、実物もとても可愛らしいです。白と薄紅色、二種類のうさぎのおみくじがあって、色だけでなく、ちょっとした個体差もあるようでした。自分と奥さんの分、二つおみくじを買いました。

f:id:asabataiga:20180717175038j:plain


岡崎神社を出た後は、南禅寺を少し散策。38度くらいある中を歩いてみたところ、10分くらいでへとへとになってしまいました。とてつもない気温に圧倒されて、逃げるように車に乗り、次の目的地である喫茶店ソワレの近くに向かいました。ここのゼリーポンチという食べ物が、なんとも可愛らしいのです。うさぎもそうですが、今回の旅は、インスタ映えを追いかけるような形になってしまいました。味は、想像していたものとは違って、懐かしく、ちょっとほろ苦いものでした。青い光に包まれた店内は、この日の熱さを少し忘れさせてくれました。

f:id:asabataiga:20180718005708j:plain

夜は気温も少し下がったので、八坂の塔周辺を散歩してみました。このあたりは、昼間はとても賑わっているのですが、夜は多くのお店が閉まるからか、ずいぶん静かになっていました。前回来た時も、同じ場所を訪れたけれど、立ち止まって街並みや建物を観るということをしなかったことを思い出しました。一つでも多くの場所を訪れたいという気持ちでいっぱいで、今思えば、余裕のある観光ではなかったのかもしれません。

f:id:asabataiga:20180717175128j:plain
f:id:asabataiga:20180718004153j:plain

ゆっくりゆっくり夜の道を歩いていると、京都という町の良さがじわりと染み込んでくるようでした。昼間の炎天下の中、散歩しているときは、夏の京都の気温にちょっとたじろいていましたが、ふと立ち止まる時間があると、ずいぶん考えも変わるものです。

まだまだ見てない場所もたくさんあるので、機会を作って再訪したいですね。

ナチュラクラシカ.01

ナチュラクラシカに入れていたフィルムがいっぱいになったので、現像してみました。この手のフィルムカメラは、写ルンですを使ったことぐらいしかないので、そこら中で適当にシャッターボタンを押しているだけなのですが、1本のフィルムに何枚か、残しておきたい写真が入っていてドキッとします。(もちろん、失敗のような写真もとても多いです。)

f:id:asabataiga:20180718152325j:plain

f:id:asabataiga:20180718012608j:plain

それほどハイペースで撮影しているわけではないので、だいたい一本のフィルムを使い切るのに数週間か一か月くらいかかります。撮影から現像までこれだけ時間が空いてしまうと、どのように撮ったかという記憶もあいまいなので、こう撮ればこういう写真が撮るという経験値のようなものが蓄積されているような感覚がありません。でも、それがいいのかもしれません。

f:id:asabataiga:20180718011006j:plain

現像の際に特にオーダーも出していないので、ただ撮っただけという写真ばかりですが、デジタルとはまた違った質感があって、ついつい鞄の中に放り込んでしまいます。
(基本的に奥さんを撮ることが多いので、それらの写真をお蔵入りさせると、こうしてブログ上に出せるのは微妙なものばかりなのですが。)

f:id:asabataiga:20180718011216j:plain

 

f:id:asabataiga:20180718011221j:plain

 

f:id:asabataiga:20180718012552j:plain

今は、LOMO Chromo Purpleというフィルムをナチュラクラシカに入れています。このフィルムは、その名前のとおり、写真がPurple、紫っぽく仕上がるのです。
もちろん、今の時代では、Photoshopなどを使わなくても、カメラやスマートフォンでこうした加工ができるので、仕上がってきた写真に驚くということはありません。しかし、現像からあがってくるまでどんなものができているかわからないというのが、きっと楽しいはず。

ピアノの森

アニメ版『ピアノの森』を毎週楽しみに観ています。原作の漫画がとても好きだったので見始めたのですが、実際に音が入ってくるアニメ版も良いものですね。演奏シーンのCG、音は力が入っていてとても見ごたえがあります。漫画版では当然、音が流れませんから、主人公のカイたちのピアノはどんなだろうと想像しつつ漫画版を読んでいました。アニメ版でその答え合わせのような感覚を楽しんでいます。漫画で描かれる日常の細部も本作のとても良いところなので、気になる方は両方の媒体で楽しむことをオススメします。
アニメ版の秀でたところに触れると、改めて、音を鳴らせない漫画という媒体で、音楽というテーマを描くことに凄まじい表現力が注がれていたことがわかります。『ピアノの森』、『のだめカンタービレ』、『四月は君の嘘』などは、読んでいると頭に音が響いてくるようです。  

ピアノソロ TVアニメ ピアノの森

ピアノソロ TVアニメ ピアノの森

 

音を漫画で、味を文章で、といった風に、何かの事象を属性の異なる表現で伝わるように描くのはとても難しいです。これは芸術やエンターテインメントの世界だけではなく、多くの仕事に存在する資料作り、プレゼンテーションなどもそうでしょう。僕の身近なところでいくと、建物やインテリアを表現するのに、図面や文字だけでは足りなくて、最近ではパースを用意したり、素材を貼り付けたボードなども用意しますが、やはりそれでは魅力が伝わらないのではとどこかで考えてしまうこともあります。

そこで、これは無理だろう、難しいと中途半端な表現で止めてしまうのではなく、なんとかしてやってやろう、表現してやろう、伝えてやろうというものだけが、受け取る人の心に響いたりするのかもしれません。


キャラゲーの対戦モードはPS4『Fate/EXTELLA LINK』を参考にして欲しい

キャラクターゲームが大好きで、アホほど買っている。特にお気に入りなのは、対戦物のキャラクターゲームだ。『ジョジョ』とか『ドラゴンボール』はもちろん、『ガルパン』や『聖闘士星矢』、なんでもかんでも買う勢いだ。対戦できるゲーマー仲間がいるから、こうしたキャラゲーをわいわい言いながら対戦するのが楽しいのだ。『ジョジョASB』なんかは、発売からしばらくの間、週末中遊び続けていた。ストーリーやソシャゲ的なところについてはいろいろ物議を醸した作品だったが、コンボのつながりがとにかくマニアックな作品で、対戦ものとしてはずいぶんたのしめた。

キャラゲーを積極的にリリースし続けてくれているバンダイナムコエンターテインメントにはめちゃくちゃ感謝している。今後発売される『ブラッククローバー』や『NARUTO』、『ヒロアカ』ももちろん買う。

今月は、PS4版の『Fate/EXTELLA LINK』を買った。マーベラスから発売されている『Fate/EXTELLA』シリーズの最新作だ。この前作にあたる作品が、なかなかアレな作品で、買うまえはあまり期待していなかったのだが、今作は良い意味で期待を裏切られた。新たに追加された4vs4の対戦モードが、めちゃくちゃ面白い。そして、とてつもなく快適だから、やめどきを見失ってしまう。

Fate/EXTELLA LINK - PS4

Fate/EXTELLA LINK - PS4

 

 本作の一人用はいわゆる無双アクションで、フィールドを駆け巡り、武器をぶんぶん振り回し、わらわらと湧いてくる雑魚を狩りまくり、ボスを見かければ殴りまくってやっつけるゲームモードだ。しかし、対戦オンラインではゲームルールそのものがガラリと変わり、陣取りゲームのような形式になる。この陣取りゲームが、楽しさがすぐに伝わってくるカジュアルさを持っており、それでいてプレイを進めていくと徐々に奥深さが醸し出されていくという絶妙な塩梅になっている。2週間くらい毎晩のように対戦しているのに全然飽きがこない。とにかくいろいろな攻撃でキャラクターが紙切れのように吹き飛び、すぐにリスポーンすることになるので、買ってから数日はこの大味なゲーム性がたまらんぜワハハとか言っていたら、「攻撃の強度」や「インストールスキルによる読み合い」など、普通にプレイしていてはなかなか気づかない、かなりのオタク的仕様が盛り込まれていることが判明したり、まだまだ底が見えない。この絶妙なゲーム設計は、ここ数年のキャラクターゲームを振り返ってもなかなか稀有な出来栄えだ。詳しい本作の魅力については、以下のゴジラインの記事を観て欲しい。(ここからさらに、やり込み要素が色々と見つかり、今はただの浅いゲームではなくなっている。スゴい。)

 

goziline.com

 しかも、オンライン対戦がとにかく快適だ。信じられないことに、キャラクターゲーム界隈では、フレンドマッチが実装されていないゲームがあったりするのだが、本作のフレンドマッチはパスコードロックまで可能ときている。キャラクターのスキル設定などをあらかじめ登録しておく機能などもあるため、対戦前にもたつくことが少ないし、放置プレイ対策のために、ブリーフィングのタイムリミットも用意されている。
そんなの当たり前だろうと思う方がいるかもしれないが、キャラクターゲームにはその当たり前が全く通用しないのだ。ひどいものだと、オンラインマッチング時にエラーが出まくるのに発売後しばらく放置されているものも多数ある。一試合終わると再度マッチングからやりなおしというゲームも体験してきた。しかし本作のオンラインは、とてつもなく快適だ。発売初日は若干エラーが起きていたものの、2日くらいで修正パッチが出て、その後も積極的にアップデートが行われている。細かい不具合はちらほらあるのだが、とにかくそれに対する対応がメチャクチャ早い。どうしちまったんだマーベラスとききたくなるほどに、発売後に不具合をつぶしまくっている。ゲームの規模が大きくなったことで、バグが出るのは仕方ないが、それにスムーズに対応できるかどうかというのは、プレイヤー側からみると、開発への好感度に大きく影響する。今、俺たちの中ではマーベラスへの好感度が爆上がり中、そしてこの神キャラゲーを作った人は誰なのだろうと、クリエイターにも興味が湧いている。並々ならぬ過去作の研究がなければ、こんなゲームは作れない。本作は、いろいろなキャラゲー、対戦ものの過去作を研究した上で作られているのはほぼ間違いないだろう。(ここまでよく出来ているのだから、いっそe-sports的な上空視点からの観戦モードがあっても良いのではとすら思う。フレンドマッチのメンバーシャッフルと、ステージランダムもあるとなお嬉しい。)

これから出るキャラゲーを作っている人は、是非本作を研究してみて欲しい。ゲームメディアも、この作品の対戦周りの快適さを見てから、レビューなんかを書いて欲しい。最低限のことがしっかりできているという点で、本作はとても素晴らしい。最近のキャラクターゲームの傾向を見ると、原作ファンに向けたストーリーモード重視の作品だけでなく、プレイヤー同士の対戦を醍醐味としている作品も多い。しかし、そうした作品の多くが、オンラインモードの仕様について詰め切れていない。2018年になっても残念な仕様の作品が後を絶たないのだ。開発現場では、「キャラゲーだからオンラインをそんなにガチガチにしなくても」という声があるかもしれないが、それにしてはストーリーはお粗末で、公式サイトを見ると対戦をやたら推していたりする。格闘ゲームやシューターのようなものに少しでも近づけようとするなら、オンラインの仕様にはとことんこだわるべきだし、この点でつまづいているゲームにまず次はない。(余談だが、PS4の『聖闘士星矢 ソルジャーズソウル』のオンラインの仕様は素晴らしかった。1vs1形式の格闘ゲームだが、ちゃんと複数人を収容できるフレンドマッチ部屋があり、他のプレイヤーの試合も観戦できた。再戦のテンポも良く、この作品も格闘ゲームをよく研究して作られていることがわかる。)
Fate/EXTELLA LINK』は、対戦もののキャラゲーのバランス面でも秀逸だ。格闘ゲームのように、初っ端からコマンド入力というハードルがあるわけでもなく、一人用で覚えた簡単な操作の大技を連打しているだけでもそれなりに活躍できる。ファーストインプレッションで、遊びやすいと錯覚させるような作りになっているのだ。しかし、そこからプレイを重ねて、ゲームの中にあるルールを見出そうとすると、途端に奥深さが溢れてくる。敷居は低く、奥は深く、言葉にするのは簡単だが、実現できているゲームはごくわずかだ。最近のキャラゲー格闘ゲームは、なかなか難しいものが多いので、そういった流れに対する一つの答えかもしれない。ただ、簡単な格闘ゲームが正解かというとそうでもないし、あまりに浅すぎるキャラゲー格闘ゲームなんかをたまに遊ぶとげんなりする。ここら辺はプレイヤーの好みもあるだろうから、対戦の塩梅やバランスについては、本作はあくまで一つの答えであって、唯一の正解というわけではない。しかし、この点からも、本作を見つめてみて欲しいと思うのだ。
これからもいろいろなキャラゲーを買うだろうから、この作品の評判をきっかけに、少しでもオンライン周りの仕様やUIなどが良くなることを祈る。

徳島、大川原高原のあじさいと風車

徳島県大川原高原へ、あじさいを観に行きました。今年は例年よりも暑くなるのが早かったためか、あじさいのシーズンの到来がやや早く感じます。どこかに観に行くかと考え始めたときには、もう時すでに遅しという時期でしたが、この高原のあじさいはまさに今が旬とのこと。

f:id:asabataiga:20180625220520j:plain

徳島市内から車を40分ほど走らせ、高原のある佐那河内村へ。そこから山道をゆるゆると登ること20分くらいで高原に到着しました。道路や通路のいろいろなところに、たくさんのあじさいが咲いています。色とりどりというわけではなく、青のものがほとんどでしたが、その統一された色使いがとても美しく、日常から離れたような感覚を呼びおこしてくれます。都内に住んでいたときも、関東近郊にあじさいを見に行くことが多かったのですが、ここまで自然の中に、大規模にさいているあじさいを観るのは初めてでした。建物や施設の装飾として、デザインの一部として組み込まれたあじさいとはまた違った迫力があります。
さらに上には、巨大な風車が数台見えます。クラシックな風車ではなく、シャープにデザインされたフォルムが目を引く、金属質のものです。この風車は、風力発電のための風車で、合計15台。真下から見ると、とてつもなく巨大で、重厚です。風車の近くには遮蔽物がなく、何本かの風車はまさに真下から眺めることができます。柱にだって触れられる距離です。当日は風がそれほど強くありませんでしたが、ごうごうと回っていました。満開を迎えたあじさいの花と金属質の風車、一見相性の悪そうなふたつの要素が、その日は青空だったからか、とても相性の良いものに感じられました。

f:id:asabataiga:20180625220526j:plain

現在、日本では、風車を立てる計画がいくつかあるようです。その計画を立ち上げる際に、風車を置くことで自然の景観が損なわれるという議論が行われていると耳にしました。自然の中に、もともとなかったものを建てるわけですから、何かしらの変化は起こり、それを受け入れる人もいれば、反発する人も出てきて当然です。風車がその土地の見所になることを期待するという声も少なくはないそうですが、変わってしまうことに責任を取るというのはなかなか難しく、慎重論が出るのも当然でしょう。

f:id:asabataiga:20180625220532j:plain
f:id:asabataiga:20180625220516j:plain

自分が見てきた風車もきっとそうなのだろうと思うと、少し複雑な気持ちになったりしますが、僕の実感としては、それがものすごい景色だったことは確かです。
どこか別の場所で、これからここに風車を立てる、どう思うか、と聞かれたら、僕はその未来や効果を予想できないでしょう。発電効率とか、採算とか、耐用年数とか、そう言った実際の部分にこだわっていくと心配事もでてきそうです。ただ、2018年6月に、遊びにいって、見た光景としては、なかなか衝撃的で、徳島の隠れた見所と言ってもいいのではと思いました。30年後、この風車が動いているだろうか、錆びて朽ちて、動かなくなった風車になったら風情があるのかもと想像してしまうほどに、それは良かった。もちろん30年後も、動いているのがベストなのかもしれませんが。